サプリメントで体も心も楽に!

体質改善を含め、「体に良いことなら何でも試してみたい。」とおっしゃる患者さんは多く、当院でもその声にお応えすべく、しばらくは漢方薬をお勧めしていました。
でも、1日3回、苦みのある顆粒状の薬をのむのは、思いのほか大変なんですよ。飲み忘れるとかえって自己嫌悪に陥ることも。それで、もっと気軽に、手軽に摂れるサプリメントを取り入れました。

調べてみるとサプリメントも千差万別、玉石混交で、妊娠に備えての体づくりのために必要のない栄養素が入っているものも多い。不正出血を起こした患者さんのお話しをうかがったら、女性ホルモンに似た働きをする成分の入った海外のサプリメントを乱用していたというケースも。そんなこともあり、自分で吟味し、納得できるサプリメントを探し、現在では数種類を取り扱っています。こちらから積極的にお勧めすることはありませんが、やはり「クリニックで扱っているものなら」という安心感があるのでしょうか。関心を持たれる患者さんは多いですね。

「飲んでいるから安心」という気持ちが心も楽に

仕事を持ちながら不妊治療をされる女性がほとんどとなった今、規則正しい生活をしなさい、糖分を控えてバランスの良い食事を心がけなさい、と言うのは酷だと思うのです。それより、「サプリメントをのんでいるから、たまにはジャンクフードで済ませても大丈夫」と思える方が、気持ちの上でも楽ですし、かえって健康的なのではないでしょうか。ストレスほど体に悪いものはありませんからね。

あくまでもサプリメントですから、即効性も期待できませんし、のみ続ければ必ず妊娠するというものでもありません。それでも、「肌荒れしなくなった」「疲れにくくなった」とおっしゃる方も多くて、それなりに手ごたえを感じます。妊娠前に葉酸が足りないと、胎児の神経管閉鎖障害、二部脊椎という病気を増やすので、葉酸は必ず摂取してもらっています。それに加えてサプリメントを摂ってもらうと「妊娠のための準備をしている」という自覚も生まれると思います。

「試してみたいのですが」とたずねてくる患者さんは、健康意識の高い方という印象です。逆を言えば、サプリメントにすら関心を示さない患者さんは大丈夫かなと思います。サプリに頼らなくても問題ない!という食事内容であれば言うことありませんが ───。

いがらしクリニック
五十嵐 俊夫先生

産婦人科専門医、日本生殖医学会会員、母体保護法指定医。昭和60年埼玉医科大学卒業、日本医科大学産婦人科入局。平成5年 日本医科大学大学院卒業、医学博士取得。日本医科大学千葉北総病院を経て平成13年より現職。一般不妊、高度生殖医療はもとより、更年期や婦人科系がん検診などにも手厚く、女性の一生を幅広くサポート。趣味はスポーツ全般で、フルマラソン5回完走、最近は週に1,2回10キロくらいのジョギング。

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