不妊治療の保険適用、治療の当事者「うれしい」は3割

2022年4月1日より不妊治療への保険適用が拡大されました。これまで高額だった治療費の負担が大きく減り、生殖医療の転換期になると予想されます。一方、短期間での制度設計に医療機関や治療されている当事者から、疑問や不安の声もあがっていました。
そこでジネコでは、治療の当事者が保険適用をどのように捉えているか実態を把握するため、インターネットによるアンケート調査を実施しました。

調査概要

■調査対象:不妊治療経験者
■サンプル数:1018(女性1005 男性13)
■調査地域:全国
■調査実施期間:2022年3月4日~3月31日
■調査方法:インターネット調査

 

治療段階によって、理解度に大きな差が

 

保険適用の詳細は、直前まで不明瞭な部分が多く、その内容を周知する十分な期間がありませんでした。そこで、保険適用の内容についてどこまで理解しているかを調査すると、「助成金が終了する」「すべての治療が保険適用になるわけではない」ことを理解している人は多かったものの、「先進医療は保険診療と併用できる」ことを知っている人は半数を下回るという結果でした。また、一般不妊治療の方とART治療の方で見ると、ART治療の方のほうがすべての内容についての理解度が高い傾向にあり、特に「混合診療が禁止されている」を知っている人は、一般不妊治療の方とART治療の方とでは大きな差が見られました。

適用条件、混合診療禁止に対する不満・不安が多数

 

不妊治療の保険適用は、「金銭的な負担を軽減してくれる制度になる」と、大きな期待を寄せられました。しかし、年齢制限や回数制限、混合診療が禁止されていることへの不満・不安、疑問点が多く、実際に「嬉しい」と思っている方が3割程度に対し、「どちらとも言えない」と答えた方は半数という結果でした。

フリーコメントでも特に多かったのは「助成金の方がよかった」「費用負担が増えるのではないか」という声。また、染色体異常の有無を調べるPGT-A(着床前診断)と、流産を繰り返す習慣性流産の原因を調べる不育症検査はどちらも流産のリスクを下げる検査であることから、多くの方が「保険適用、もしくは先進医療にしてほしい」と強く望んでいることがわかりました。

(*1:ALICE検査、*2:EMMA検査が先進医療になりました)

アンケート結果をふまえて

多くの関心と期待が寄せられた不妊治療の保険適用ですが、「嬉しい」よりも不安や疑問に思っている人が多いというのが現状、ということがアンケートで明らかになりました。
この結果をふまえ、ジネコでは今後も引き続き、不妊治療の保険適用の実態を調査いたします。

保険適用前実態調査 全レポート(PDF)はこちらからダウンロードできます。
https://jineko.co.jp/report/hokenreport0415.pdf